海帆、TWOSTONE&Sons、エスポアを無理やり応援してみる

コラム・読み物

正直に言う。この記事は「応援記事」を書こうとして、途中で論理が怪しくなり、それでも書き続けたという記録だ。海帆、TWOSTONE&Sons、エスポア——最近の株価だけを見れば、擁護するのが難しい3銘柄である。チャートを開けば含み損が広がっていて、掲示板には罵声が並んでいて、SNSでは「まだ持ってるの?」という空気が漂っている。

でも、だから何だというんだ——というのが、この記事の立場だ。たぶん。

⚠️ 本記事は投資の推奨ではありません。個別銘柄への言及は情報提供目的であり、将来の株価を保証するものではありません。判断はご自身でお願いします。

海帆(3133)——下がったぶんだけ上がる余地が増えた、という話

海帆は居酒屋チェーンを軸とした飲食事業が本体だが、2023年から太陽光発電を中心とした再エネ事業にも進出している。このビジネスモデルの評価が難しいのは、飲食と再エネという組み合わせが「なんで?」という感じになりやすいからだと思う。投資家は一貫性のある企業ストーリーを好む。だからこそ、ちょっと脈絡が見えにくい多角化は株価に反映されにくい。

ただ、株価だけで全部を語るのも違う気がしている。仮に100円上がる余地しかなかった銘柄が300円下がれば、400円上がる余地が生まれる——という理屈は、計算としては正しい。感情的には全く慰めにならないが。

海帆の現状整理(あくまで構造的な話として)

  • 居酒屋チェーン(新時代・えびすやなど)に加え、2023年から太陽光発電を中心とした再エネ事業へ展開
  • 株価低迷は市場からの「まだ信用できない」というシグナルとも読める
  • 逆に言えば、市場に信用されていない銘柄は下値への警戒が薄い、という見方もある

これはポジティブだ。たぶん。

TWOSTONE&Sons(7352)——AIに殺されるのか、AIに生かされるのか

フリーランスITエンジニアと企業をつなぐマッチング事業「Midworks」が主力で、転職支援・SES・受託開発なども抱えるエンジニアプラットフォーム系のホールディングカンパニーだ。AI時代に「エンジニア需要」を看板にした会社がどうなるかは、正直わからない部分が多い。AIがエンジニアの仕事を代替する——というシナリオは確かにある。でも、AIを動かすエンジニアが必要になる、AIを管理するエンジニアが必要になる、さらにそのAIを監視する人間が必要になる……と積み上げていくと、最終的に「誰かは必要」という結論にたどり着く。論理として正しいかどうかは、さておき。

ここで怖いのは、マッチング事業の収益構造がエンジニアの単価と稼働率に強く依存していることだ。景気後退局面でIT予算が削られると、単価も稼働率もしゅるしゅると下がっていく可能性がある。そこは目を瞑ってはいけない部分だと思う。

考えられるシナリオ(推測を含む)

  • AI関連需要の拡大でエンジニアマッチング需要が増加するシナリオ
  • AI代替が進み、マッチング案件数が漸減するシナリオ
  • AI管理・運用特化の高単価ポジションへのシフトが起きるシナリオ

どれが当たるかは、理論上は期待できる、としか言いようがない。

エスポア——小さいから夢がある、という話の危うさ

エスポアについては情報が少ない。名証ネクスト上場の不動産会社で、分譲マンションや商業施設の企画開発・販売と賃貸管理が主力だ。時価総額が小さく、流動性も低い。こういう銘柄について語る時、投資家は二つの顔を持つことがある。分析顔と、夢顔だ。

分析顔で言えば——小型株は情報開示が薄く、価格形成も不安定で、機関投資家が入れない分だけ値動きに偏りが出やすい。いいことばかりではない。夢顔で言えば——最初から大きければ数十倍株にはなりにくい。小さいからこそ化ける可能性がある。宝くじが当たりそうに見えるのも、確率じゃなくて夢を買っているからだ、みたいな話と構造は似ている。

⚠️ 小型・低流動性銘柄は値動きが激しく、売却タイミングによっては大きな損失につながる場合があります。投資額の管理には特に注意が必要です。

私が正直なところを言えば、エスポアへの期待は「夢顔」側にある。それが正しい投資判断かどうかは別として。

3銘柄に共通するもの——賛否が分かれる、ということ

海帆も、TWOSTONE&Sonsも、エスポアも、「説明すると必ず賛否が分かれる銘柄」という点で似ている。話を聞いた相手の反応が「なるほどね、買おう」にならない。「うーん、どうかな」で止まる。それでも保有者は離れない。物語を信じている層が、想像以上に厚いからだ。

だが——相場の歴史を振り返ると、全員が納得していた銘柄から大相場が始まるケースは意外と少ない気がする。「意味が分からない」「なんで上がるの?」と言われていた銘柄が突然祭りになることもある。長年相場を見ていると、そういう場面を何度か目撃してきた。もちろん、そのまま下がることのほうが圧倒的に多い。そこは触れないことにする。

▍なおの視点

この3銘柄に共通するのは、業績でも財務でもなく「物語」で買われやすいことだと思う。海帆には再エネの物語があり、TWOSTONE&SonsにはAI時代の人材不足という物語があり、エスポアには小型株特有の「夢」がある。物語自体は、決して弱くない。むしろ強すぎるくらいだ。

問題は、その物語を市場全体がまだ信じていないことだと思っている。物語を信じているのは、保有者と一部の支持者だけ。機関も多くの個人も、まだ本気で分析する段階の銘柄だとは思っていない。良くも悪くも「色物枠」として見ている気配がある、というのが現状に近い気がする。

相場というのは不思議なもので、物語が事実になる前に上がることもあれば、事実になっても上がらないこともある。この3銘柄は、結局のところ「数字」より「物語」が先行している銘柄なのだと思う。だから難しい。そして、だから面白い、という見方もできる。正直、この距離感のときが一番不気味だ。

まとめ——下がった時に無理やり強気になることの話

みんなが強気な時に強気なのは簡単だ。本当に難しいのは、株価が下がっている時に無理やり強気になることである。ただ、「無理やり強気」と「根拠のある逆張り」は違う。この記事が前者に近いことは、薄々気づいている。

海帆が上がれば「やっぱりな」と言う。TWOSTONE&Sonsが上がれば「知ってた」と言う。エスポアが上がれば「最初から信じてた」と言う。下がった場合は、その時にまた新しい理由を考えればいい。投資家というのは、希望を材料に生きている生き物なのだから——という逃げ道だけ、最後に残しておく。

📎 参考・出典

── まだ読み足りないなら ──

カテゴリから読み解く個人投資家が負ける構造

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