創建エース上場廃止の舞台裏:粉飾決算と西山由之氏の人間ドラマ

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創建エース上場廃止の舞台裏:粉飾決算と西山由之氏の人間ドラマ

2025年9月19日、東京証券取引所(東証)スタンダード市場に上場していた創建エース(証券コード:1757)が上場廃止となりました。建設業を主とするこの企業は、巨額の粉飾決算が発覚し、市場の信頼を大きく裏切る結果に。最終取引日を迎えた今日、投資家や従業員、経営陣の間で繰り広げられた人間ドラマと、代表取締役会長兼社長・西山由之氏(83歳)の再建への決意を振り返り、その背景と今後の展望を紐解きます。

上場廃止の引き金:約73億円の架空売上

創建エースの上場廃止の直接的な原因は、有価証券報告書の虚偽記載です。東証は「市場の秩序を維持できない」と判断し、異例の即時廃止を決定。以下はその概要です。

  • 不正の規模:2022年3月期から2024年3月期までの連結累計売上高は約87億円とされていましたが、そのうち約73億円(全体の約85%)が架空売上。訂正後、黒字を装っていた実態は赤字に転落。
  • 発覚の経緯:2025年6月30日、特別調査委員会の調査結果が公表され、虚偽記載が明るみに。直ちに監理銘柄に指定され、投資家の間に衝撃が走りました。
  • 東証の対応:8月18日、東証は上場廃止を決定。整理銘柄として1か月の取引期間を経て、9月19日をもって上場廃止。会社は「倒産ではない」「事業は継続する」と強調していますが、非上場化により株式の流動性は極端に低下しました。

時系列で振り返る人間ドラマ

この事件は、企業不祥事にとどまらず、関係者たちの葛藤や感情が交錯する人間ドラマの舞台でした。特に、西山由之氏の登場とその行動は、物語に大きな影響を与えています。

1. 不正発覚:経営陣のプレッシャーと西山氏の挑戦(2025年6月30日)

粉飾決算の発覚は、創建エースにとって最大の危機でした。約73億円の架空売上は前経営陣によるもので、2023年6月に社長に就任した西山由之氏は不正を知らずに会社を引き継いだとされています。西山氏は、株式会社ナック(現・東証プライム上場、ダスキン・クリクラ事業)の創業者として知られ、29歳で起業、40年間代表を務めた実績を持つ実業家。経団連常任幹事や西山美術館館長としても活躍し、「再建請負人」として創建エースに乗り込みました。

  • 西山氏の葛藤:就任時、業績悪化を立て直すべく私財52億円超を投じ、新規事業(銀座・渋谷のボンボンクリニック、相撲レストラン、銅製品輸入販売)を推進。しかし、前経営陣の不正が発覚し、自身の再建計画が暗礁に乗り上げる事態に。X投稿(@i_can2480)で「前経営陣の犯罪(粉飾決算)」「知らなかった事とは言え、建て直さなければなりません」と述べ、責任感と覚悟を示しました。
  • 内部の緊張:特別調査委員会の設置を主導した西山氏ですが、内部告発者や監査法人の指摘が発覚のきっかけに。告発者は「正義感」と「会社への忠誠心」の狭間で悩んだはず。一方、調査を受ける前経営陣や関係者は、発覚の恐怖と責任追及への不安に苛まれたでしょう。

2. 株価暴落と投資家の動揺(2025年7月1日~8月18日)

不正発覚後、創建エースの株価は急落。7月1~2日には一時10円まで下落し、X上では個人投資家の怒りや後悔が溢れました。「裏切られた」「なぜ気付けなかったのか」といった声が飛び交い、株価は最終的に1円で「張り付き地獄」に。西山氏への批判も多く、「キングオブ糞株」と揶揄する投稿も見られました。

  • 投機家の暗躍:一方、短期的な値動きを狙う投機家が「マネーゲーム」に参入。8月19日の取引再開時には、株価が3円から一時7円に急騰。この動きは、市場の非情さを象徴し、冷静な投資家にさらなる混乱を招きました。
  • 西山氏の対応:西山氏はXで「株主に報いる所存」と発信し、投資家との対話を試みましたが、信頼回復は容易ではありませんでした。株主総会でのクオカード配布未実施も批判を招き、初心者投資家の損失が社会問題化する懸念が浮上。

3. 従業員の不安と西山氏の孤立(2025年8月18日~9月19日)

上場廃止決定後、従業員は雇用の安定や将来への不安に直面。非上場化による資金調達の難しさや取引先離れのリスクが重くのしかかり、経営陣への不信感も募ったでしょう。

  • 西山氏の決意:9月18日のX投稿で、西山氏は「事実を受け止め、ここから立て直す」「人生も賭けています」と表明。私財52億円超の投入を強調し、「今やれ すぐやれ 早くやれ!!」のモットーで再建に全力を注ぐ姿勢を見せました。この発言は一部で「率直で好感」と評価される一方、「承認欲求の塊」との厳しい声も。
  • 孤立感:法的責任(証券取引等監視委員会の課徴金7844万円勧告)や株主からの批判に晒され、西山氏は孤立感を深めた可能性があります。それでも、ナック創業の成功体験を背景に、事業継続への意地を見せています。

「本日9月18日、当社株式の取引が終了しました。明日19日に上場廃止となります。事実を受け止め、ここから立て直します。前経営陣が行った犯罪(粉飾決算)ですが例え知らなかった事とは言え、その会社を引き継いだ以上、建て直さなければなりません。私は個人資産を52億円以上を創建エースに投じたのは事実です。人生も同じだけ賭けています。」(西山氏のX投稿、@i_can2480、2025年9月18日)

4. 最終取引日:投資家の決断と西山氏の覚悟(2025年9月19日)

本日、創建エースの最終取引日。株主は「損切りして売却するか」「非上場株として保有するか」の選択を迫られました。多くの個人投資家にとって、数十円だった株が数円に暴落する現実は、経済的・精神的な打撃でした。一部は西山氏の再建に期待して保有を続けたかもしれませんが、非上場株の流動性低下は大きなリスクです。

  • 西山氏のメッセージ:X投稿で「(明日に続きます。)」と予告し、継続的な情報発信を約束。投資家や従業員への責任感を強調し、事業再建への強い意志を示しています。
  • 市場の視線:東証の迅速な廃止決定は、投資家保護を優先したもの。監査法人の監査体制への疑問や、ガバナンス強化の必要性も浮上。西山氏には、外部からの冷ややかな視線を跳ね返す結果が求められます。

西山由之氏の今後:再建への挑戦と課題

西山氏は、創建エースの再建リーダーとして継続的に関与する姿勢を明確に示しています。以下は、今後の予想される役割と課題です。

領域 具体的な関わり方 根拠・課題
事業再建 ボンボンクリニックや相撲レストランなど新規事業の軌道化、建設業の立て直しを推進。私財52億円超の投入に加え、資産活用(現預金約1600万円)を進める。 X投稿と講演で言及。事業自体は継続可能だが、取引先離れや資金繰りの厳しさは大きな障壁。
株主対応 非上場株の保有者向けに説明責任を果たし、相対取引の支援を模索。IRページで問い合わせを促す。 株主に「報いる所存」と約束するが、信頼回復は困難。総会でのクオカード未配布も批判に。
法的対応 課徴金納付や内部統制強化を進め、監督責任の可能性にも対応。ナックの成功体験を活かし、コンプライアンス重視の経営を目指す。 9月17日の勧告後、会社として対応中。個人責任のリスクが残る。
外部活動 ナック名誉会長や西山美術館館長としての影響力を活用し、イメージ回復。「西山劇場」との愛称で、講演やX発信を続ける。 就任前からの多角化。創建エース再建が優先だが、影響力活用の可能性。

課題

  • 信頼回復:X上での「被害者多数」「買い煽り」批判をどう乗り越えるか。透明性向上や外部アドバイザー招聘が必要。
  • 年齢と体力:83歳の高齢で、私財全投じのプレッシャーは大きい。後継者不在の懸念も。
  • 再上場の可能性:JALのような再上場を目指す声もあるが、粉飾の汚点は障壁。減資や事業整理が求められる。

社会的影響と教訓

創建エースの事件は、投資家教育の必要性を浮き彫りにしました。X上では「財務諸表の見方」や「粉飾の兆候」についての議論が活発化。中小企業のガバナンスの弱点も露呈し、監査体制強化が求められます。西山氏の再建への情熱は、経営者の「責任と覚悟」を象徴していますが、株主・従業員との溝は簡単には埋まりません。

まとめ:西山氏の賭けと未来への一歩

創建エースの上場廃止は、粉飾決算による信頼の崩壊と、西山由之氏の再建への挑戦が交錯する人間ドラマでした。西山氏は私財と人生を賭け、「立て直す」と宣言。ナック創業の成功体験を背景に、逆境を跳ね返す姿は注目に値します。しかし、株主の怒り、従業員の不安、市場の厳しい視線を乗り越えるのは容易ではありません。最新情報は西山氏のX(@i_can2480)やIRページで確認を。

投資家の皆さんには、企業の財務状況やガバナンスを注視し、リスク管理を徹底することをおすすめします。西山氏の物語はまだ終わらず、その結末が市場に新たな教訓をもたらすでしょう。

: 本記事は2025年9月19日10:43 JST時点の公開情報とX投稿に基づく。法的進展や新情報で状況が変わる可能性あり。投資判断は自己責任で。

(文中のX投稿やIR情報は、引用元として@i_can2480や創建エース公式IRページを参照)

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